今年の1月のことです。「べらぼう」の何回目かの放送のときに思い出しました。
それは私が小学校5年生の1月より大河ドラマで放送された「新平家物語」を観ているときの出来事でした。札幌オリンピックが開催された1972年のことです。
前年の年末に担任の先生が来年の大河ドラマの紹介をされて、観ることを推奨されました。先生も楽しみにされていました。
その教えに従って「新平家物語」を観ていたら、風呂上がりの父が「こんな番組は子供が観るものではない」とチャンネルを回してしまいました。おそらく男女のきわどいシーンを予感させる場面だったのだと思います。
一方「べらぼう」は出だしから吉原を舞台にしたシーンが多く、きわどいシーンもありました。小学生の子供とは一緒に観たくないなと思いました。返答に困るような質問が来るようで落ち着きません。
蔦屋重三郎を主人公にする限り、吉原は避けて通れませんので、大河ドラマの中でどう描くかは相当な議論があったことでしょう。
今回の話題は書くタイミングを逸したので、もう書かないでおこうと思っていたのですが、先日の仲代達矢さんの訃報を伝えるニュースで、「新平家物語」で平清盛役だったことが報じられたのを観て、書こうと思いました。
学生のときに無名塾のマクベスを観て、仲代達矢さんの舞台での迫力に圧倒されたことを覚えています。その時から40数年間92歳まで現役を続けて来られたことに、頭が下がります。
おそらく仲代さんは仲代達矢という役者を演じ続けていたのではないでしょうか。私が観た中では「日本の熱い日々 謀殺・下山事件」で演じられた仲代達矢が好きです。
今回の「べらぼう」には、俳優さんたちの演技力に驚きを感じています。特に若手俳優さんたちの成長力は凄いですね。またベテランの俳優さんたちの演技には凄みを感じました。毎回演技力を感じる見せ場がありました。すばらしい演出とキャスティングだったと思います。
そういえば、蔦重の発想力、構想力、突破力、巻き込む力、見極める力、対応力、やり抜く力、編集力には毎回励まされます。いつの時代に生きたとしても、どんな事業をやったとしても、成功させたに違いないと思わずにいられません。見習いたいものです。
今回の大河ドラマはまだ終わっていませんが、久しぶりに初回からもう一度観たいと思いました。それぞれの回ごとに感じるものがありました。