お盆のこの時期は、60年近く同じ光景を観ているような気がします。それは終戦記念日の戦没者追悼式と甲子園球場での黙祷です。

私の終戦記念日に重なる風景は、太陽の強烈な日差しと最後の力を振り絞るかのように鳴く蝉の声、テレビやラジオから流れる甲子園の歓声と鳴り響くサイレンの音、それと黙祷による静寂です。わずか1分の時間ですが、いろんな思いが去来します。

都心にいると蝉の声は聞けなくなりました。また、甲子園の中継を聞いているドライバーも少くなったように思います。(今はエアコンをかけて窓を閉めて走っているので、歩行者には聞こえないだけかもしれません)昔はタクシーに乗ると聞き入ったものです。インターネットがない時代でした。

夏の甲子園が春より盛り上がるのは、3年生にとって最後の大会であること及びお盆休みで甲子園に行く機会や、故郷や自宅でテレビをゆっくり観る機会があるからなのでしょう。何かしらの繋がりがあるチームの試合には力が入ります。

戦後80年の今年は、新聞やテレビもその特集に力が入っているように思います。今まで報道されなかったような内容にも踏み込んだものがあり、健全な社会状況を感じます。

戦後90年も100年も、お盆のこの時期には戦没者追悼式と甲子園が同じように続いていることを祈るばかりです。

尤もそのためには、今年を超えるような猛暑にならないことが大前提になりますね。