有吉佐和子さんの『複合汚染』を初めて読みました。高校生の時、大学生の時、社会人になってからも何度か読もうとして手に取った本です。文庫本で600ページある大作で、単行本は1975年に発売されたベストセラー作品です。
先月、福島県のいわき市に出張で行った折に、駅に隣接したビルにある本屋さんで買いました。「早く読みなさいよ」と本に言われているように感じました。
昨年の12月にNHK Eテレの100分de名著で『恍惚の人』が取り上げられて以来、本屋さんには、有吉さんの文庫本がいっぱい置いてあります。
この本を、高校生若しくは大学生の時に読んでいれば、その後の私の人生に大きな影響を与えていたのは間違いないと思いました。
読書後は生野菜を食べるたびに、農薬、化学肥料、除草剤のことが気になるようになりました。食品添加物も気になります。スーパーでは洗剤の成分を確認するようになりました。また、映画の『奇跡のリンゴ』(2013年製作)に感動したことを思い出しました。
読んでいる時から気になったのですが、「現在はどうなっているのだろう?」と思いました。是非、『複合汚染』のその後を作家やジャーナリストに書いて欲しいと思いました。
東京で2番目に大きい本屋さんでその関連の本を探したのですが、10冊程度しか見つけられませんでした。売れないのでしょうね。
ちなみに有吉さんは執筆のために、約300冊の関連書籍を読まれたようです。当時は公害や環境問題に敏感な時代でした。
こころや身体の不調を訴える人の増加、不妊治療の増加、アレルギー体質の増加、ひきこもりの増加、自死者の増加等々との因果関係はどうなのだろうと思ってしまいます。
そんなことを考えていたら、いいアイデアが浮かびました。「隣徳学院」の生徒さんたちに調べてもらって、文化祭で発表してもらうというのはどうでしょうか? もちろん、「御上先生」に的確なアドバイスをもらいながら。
タブー視なし、忖度なしの不都合な真実が明らかになるかもしれませんね。もっとも不都合な真実などないことが分かるのが一番いいことです。ほっとできます。
日本人が心身ともに健康な民族として、今後も何世紀にも渡って続いて行くためには、素人の素朴な疑問による、継続的な監視や検証が欠かせないのかもしれません。
世の中が経済成長を求める限り、それを阻害しないようなバイアスが掛かるのは世の常です。